北方辺境の人里離れた山岳地帯にあるアモン市は、資源も人口も少ない弱い都市国家で、部外者から怪しい蟲神を崇拝しているので、常に各国から軽蔑されています。
彼らの祖先はアンダル平原からやってきたので、文明レベルはそこまで悪くないが、蛮族から逃れるためにほとんど発展する時間もありません。他の部族が早くも繁栄していたが、彼らは紀元最初の百年後半ぐらい、先王ティーグラのリーダーで走り回ってやっとアモン山のふもとに辿り着いて、都市を作り上げました。
他の王国から距離があったため、彼らはより閉鎖的になり、外の世界との接触はほとんどありませんでした。

王家では何代も近親婚で、生まれた子どもは大人まで生きていけませんでした。成人した貴族たちは体の弱い者ばかりで、精神異常者も多いです。
ある一世紀の間に何人も狂気の王が現われ、その風変わりな振る舞いに多くの恐怖をもたらしました。多くの者は王城に強制連行され、それっきり行方不明になっています。
これら狂気の王たちの耳には、いつも誰かが地下から呼んでいるようなささやきが聞こえているといわれています。狂った王たちのうち数人は自殺し、他の王たちは城の地下を掘り始め、アモン山が年々空っぽになっていきます。
数え切れないほどの人力と物的資源を使って、本当に宝物を見つけました。しかしそれは藍晶鉱でも太古の遺跡でもありません。その巨大の化石には、三葉虫のように背中に甲羅、腹の裏側が触手で覆われています。
化石は死んだ物だが巨大すぎて人々を恐れさせました。狂王たちはこれが神の奇跡とみなし、労働者たちを処刑し、封印しました。
数年も経たないうちに、巨大な蟲神の像が街中に祀られるようになり、これが蟲神信仰の起源となりました。
紀元二百年台に入ってから、オーマ公国の女性たちが外国的な考え方を持ち込んだことがきっかけで、こんな閉鎖的な考え方が徐々に変化していきました。
自らを魔女団と称する彼女たちは領主に会い、王宮に滞在して王子や王女を教育し、そしてかれらを世界中を案内して、世間の人と接触させます。

それ以来、アモン市は外の世界と親密になって、多くの訪問や結婚がありました。
ベック族で賢人と賞賛されるヒルダ王は、アモン市の領主を引き抜いてヴェロ同盟を結成しました。その結果、四王の戦いでアモン市は多くの死傷者が出ました。
比較的なんもない百年が経って、王位は現在の領主スサー十世に継承されました。その不可解な呼び声は再び聞こえてきました。それは一体藍月からでしょうか？それとも地下からでしょうか？彼はどうしようもなく、やがて町の人々を動員して掘り始めました。何らかの力があるかもしれないが、ついに太古の遺跡を発掘しました。言葉にできない知識はアモン市の技術力を飛躍的に高め、オラトリオ劇場や望月台といった高度な施設を生み出しました。
さらに信じられないことに、領主は遺跡から女性の幼児を発掘した。 それはまるで蟲神から授かった世継ぎのようであります。
オーマ公国の藍月魔女団はやがてアモン市に訪問して古代からの声を広めてきます。